2006.2.21 入浴のしかたについて
入浴は湯の温度によって10〜20度を寒浴、20〜30度を冷浴、30〜35度を微温浴、35〜40度を温浴、40〜45度を高温浴と呼んでいます。また、入浴する部位によって全身浴、半身浴、坐浴、手浴、足浴に分けることができます。
入浴は、日常生活のなかで簡単に体を温める方法ですが、体が温まると、心臓の始動や呼吸が速くなり、血液循環がよくなり、血液中の疲労物質である「乳酸」の排泄が促進されます。
しかし入浴方法を間違えると、拡張した血管が、入浴後における寒冷刺激によって血管の反応的収縮を起こして、痛みの増悪を引き起こすのです。しかも熱い湯による全身浴は、交感神経を緊張させ、皮膚の血管は収縮して血圧があがり、さらに浴槽の水圧が加わるため末梢の血液が流れにくくなってしまいます。
したがって、熱い湯に肩までつかってあがる「カラスの行水」や全身を高温で熱くする「サウナ風呂」は、皮膚の表面がバリアをつくり、体内に熱が入らないようにするため皮膚表面だけが熱くて、体の深部は冷えた状態となってしまいます。まさに「強火の近火で焼いた餅」のように、表面が黒く焦げて“しん”は硬い状態です。
みなさんも、温泉に行ったのにやたらと怠くなって疲れたり、湯治に行って症状が悪化した経験があるのではないでしょうか?これは温泉が前述した40〜45度の高温(高温浴)が多いこと、肩まですっぽりつかってすぐあがり、それを1日に何度も繰り返すことに起因すると推測されます。
湯の温度は人によって好みがありますが、健康によい入浴法は38〜40度の温浴で、体温に近い“ぬるめの湯”に15〜20分つかるのが疲労回復に適しています。冬なら40度、夏なら38度で、額や鼻が汗ばむ程度が目安となります。
また、全身浴は心臓や肺に負担がかかるため、胸までつかる「半身浴」にするのがよいでしょう。「半身浴」はエネルギーの消費が最も少なく、しかも下半身が温まるだけで全身の血行がよくなります。そのため、体の表面の血管だけでなく、深部の血管まで拡張し、軽い脳の貧血状態になるため、神経の緊張が緩み、気分が落ち着いて眠りやすい状態になるのです。
また、ぬるい湯は、熱い湯とは逆に副交感神経が優位となり、疲労物質は汗や尿となって体外に排泄され“こり”が40%以上解消されることも実験で明らかになっています。
しかも、入浴後における血管の反応的収縮による痛みの増悪を防止することも可能となります。したがって「ぬるい湯」で長時間の「半身浴」が、入浴法の最大のポイントといえるでしょう。
Q&A 患者さんからよく受ける質問です
Q:「針灸治療の後、入浴してもいいんですか?」
A:基本的に問題ありません。治療後、2時間以上あけて入れば治療効果が高まります。
※症状により、入浴を控えてもらう場合はあります
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